物権的請求権に基づく不動産明渡請求

〔令和元・4・5年予備試験〕 〔1 物権的請求権の根拠と要件〕 所有権は、物の全面的支配権であり、所有者はその権能として物の返還を請求し得る(206条)。したがって、所有権に基づく返還請求が成立するためには、(1)原告が […]

集合動産の譲渡担保(最判H18.7.20)

最高裁は、「このように重複して譲渡担保を設定すること自体は許されるとしても、劣後する譲渡担保に独自の私的実行の権限を認めた場合、配当の手続が整備されている民事執行法上の執行手続が行われる場合と異なり、先行する譲渡担保権者 […]

抵当権に基づく動産の返還請求(最判S57.3.12)

最高裁は、「工場抵当法2条の規定により工場に属する土地又は建物とともに抵当権の目的とされた動産が、抵当権者の同意を得ないで、備付けられた工場から搬出された場合には、第三者において即時取得をしない限りは、抵当権者は搬出され […]

抵当権に基づく妨害排除請求(最判H17.3.10)

最高裁は、「所有者以外の第三者が抵当不動産を不法占有することにより、抵当不動産の交換価値の実現が妨げられ、抵当権者の優先弁済請求権の行使が困難となるような状態があるときは、抵当権者は、占有者に対し、抵当権に基づく妨害排除 […]

抵当権の物上代位と債権譲渡の優劣(最判H10.1.30)

「右のような民法304条1項の趣旨目的に照らすと、同項の「払渡又ハ引渡」には債権譲渡は含まれず、抵当権者は、物上代位の目的債権が譲渡され第三者に対する対抗要件が備えられた後においても、自ら目的債権を差し押さえて物上代位権 […]

動産売買先取特権の物上代位(一般債権者の差押えとの優劣)(最判S60.7.19)

最高裁は、「民法304条1項但書において、…差押をしなければならないものと規定されている趣旨は、先取特権者のする右差押によって、第三債務者が金銭その他の物を債務者に払い渡し又は引き渡すことを禁止され、他方、債務者が第三債 […]

抵当権の効力が及ぶ従物の範囲(最判S44.3.28)

最判昭和44年3月28日は、根抵当権設定当時に存在した従物に対し、民法370条により、根抵当権の効力が及ぶとしています。つまり、抵当権設定時に存在している従物は、民法370条の付加物に含まれると解釈されています。 抵当権 […]

動産売買先取特権の物上代位(最決H10.12.18)

最高裁の判例では、請負工事に用いられた動産の売主は、原則として、請負人が注文者に対して有する請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することはできません。ただし、請負代金全体に占める当該動産の価額の […]

留置権の要件と対抗力(最判S47.11.16)

留置権の要件 留置権は、民法295条に規定されており、以下の要件を満たす場合に成立します。他人の物を占有していること。この「他人」は、債務者に限らず、第三者でも構いません。その物に関して生じた債権を有すること。これは、債 […]

共有者相互間の明渡請求の可否(最判S41.5.19)

最高裁判所昭和41年5月19日の判決では、共有物の持分の価格が過半数を超える者であっても、当然には共有物を単独で占有する他の共有者に対し、明渡を請求することはできないとされています。共有者の一人が共有物を単独で使用してい […]

賃借人のした増築による建物の付合(最判S44.7.25)

最高裁の判例(昭和44年7月25日)では、賃借人が賃貸人の承諾を得て建物の屋上に建物を増築した場合において、増築部分が既存の建物と構造上、利用上独立性を有しないときは、増築部分は既存の建物に付合し、その所有権は既存の建物 […]

相続と民法185条にいう「新たな権原」(最判H8.11.12)

最高裁平成8年11月12日判決 相続人が、被相続人の占有を相続により承継しただけでなく、新たに相続財産を事実上支配し、その占有に所有の意思があったとみられる場合には、新権原により自主占有をはじめたものとみるべきとしていま […]

登記のない地役権と承役地の譲受人(最判H10.2.13)

登記のない地役権の対抗要件 原則として、地役権は登記がなければ第三者に対抗できません。しかし、例外的に、登記がなくても地役権を主張できる場合があります。①承役地が譲渡された時点で、その承役地が②要役地の所有者によって継続 […]

背信的悪意者からの転得者(最判H8.10.29)

背信的悪意者からの転得者とは、ある不動産について、最初の譲受人が登記を完了していない間に、背信的悪意者(最初の譲受人を害する意図をもって不動産を取得した者)から、さらにその不動産を譲り受けた第三者のことを指します。この場 […]