後遺症による損害の追加請求に関する判例の論理構成

交通事故や医療過誤などによって後遺症が残った場合、その損害賠償請求は、原則として一度の訴訟(または示談)で将来にわたって生じるすべての損害を請求し、解決を図るべきとされています(損害全部賠償の原則)。しかし、最初の損害賠 […]

本訴と反訴の既判力:その効力と相互関係

訴訟における「既判力(きはんりょく)」とは、確定した終局判決が持つ効力の一つで、一度確定した判断について、当事者や裁判所は後の別の裁判で蒸し返して争うことができなくなる、という非常に重要な効力です。これは、紛争の終局的な […]

給付訴訟の反訴がなされた債務不存在確認の訴えの利益

債務不存在確認訴訟は、特定の債務や支払い義務が存在しないことを裁判で確認する手続きです 。通常、金銭請求を受けた側(債務者)が、その支払い義務がないと主張する際に提起されます。 訴えの利益 債務不存在確認訴訟には、「確認 […]

集合動産の譲渡担保(最判H18.7.20)

最高裁は、「このように重複して譲渡担保を設定すること自体は許されるとしても、劣後する譲渡担保に独自の私的実行の権限を認めた場合、配当の手続が整備されている民事執行法上の執行手続が行われる場合と異なり、先行する譲渡担保権者 […]

抵当権に基づく動産の返還請求(最判S57.3.12)

最高裁は、「工場抵当法2条の規定により工場に属する土地又は建物とともに抵当権の目的とされた動産が、抵当権者の同意を得ないで、備付けられた工場から搬出された場合には、第三者において即時取得をしない限りは、抵当権者は搬出され […]

抵当権に基づく妨害排除請求(最判H17.3.10)

最高裁は、「所有者以外の第三者が抵当不動産を不法占有することにより、抵当不動産の交換価値の実現が妨げられ、抵当権者の優先弁済請求権の行使が困難となるような状態があるときは、抵当権者は、占有者に対し、抵当権に基づく妨害排除 […]

抵当権の物上代位と債権譲渡の優劣(最判H10.1.30)

「右のような民法304条1項の趣旨目的に照らすと、同項の「払渡又ハ引渡」には債権譲渡は含まれず、抵当権者は、物上代位の目的債権が譲渡され第三者に対する対抗要件が備えられた後においても、自ら目的債権を差し押さえて物上代位権 […]

動産売買先取特権の物上代位(一般債権者の差押えとの優劣)(最判S60.7.19)

最高裁は、「民法304条1項但書において、…差押をしなければならないものと規定されている趣旨は、先取特権者のする右差押によって、第三債務者が金銭その他の物を債務者に払い渡し又は引き渡すことを禁止され、他方、債務者が第三債 […]

抵当権の効力が及ぶ従物の範囲(最判S44.3.28)

最判昭和44年3月28日は、根抵当権設定当時に存在した従物に対し、民法370条により、根抵当権の効力が及ぶとしています。つまり、抵当権設定時に存在している従物は、民法370条の付加物に含まれると解釈されています。 抵当権 […]

動産売買先取特権の物上代位(最決H10.12.18)

最高裁の判例では、請負工事に用いられた動産の売主は、原則として、請負人が注文者に対して有する請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することはできません。ただし、請負代金全体に占める当該動産の価額の […]

留置権の要件と対抗力(最判S47.11.16)

留置権の要件 留置権は、民法295条に規定されており、以下の要件を満たす場合に成立します。他人の物を占有していること。この「他人」は、債務者に限らず、第三者でも構いません。その物に関して生じた債権を有すること。これは、債 […]

共有者相互間の明渡請求の可否(最判S41.5.19)

最高裁判所昭和41年5月19日の判決では、共有物の持分の価格が過半数を超える者であっても、当然には共有物を単独で占有する他の共有者に対し、明渡を請求することはできないとされています。共有者の一人が共有物を単独で使用してい […]

賃借人のした増築による建物の付合(最判S44.7.25)

最高裁の判例(昭和44年7月25日)では、賃借人が賃貸人の承諾を得て建物の屋上に建物を増築した場合において、増築部分が既存の建物と構造上、利用上独立性を有しないときは、増築部分は既存の建物に付合し、その所有権は既存の建物 […]