払込みが仮装された場合、取締役は会社に対して損害賠償責任を負う可能性があります。これは、取締役が法律や会社の定款に違反したり、職務を怠ったりして会社に損害を与えた場合に生じる「任務懈怠責任」の一種と考えられます。
取締役は、会社から業務執行を委任された立場として、善良な管理者としての注意義務(善管注意義務)や、会社のために忠実に職務を遂行する義務(忠実義務)を負っています。払込みの仮装は、これらの義務に違反する行為と見なされる可能性があります。
取締役等の責任
取締役等がその任務を怠り、会社に損害を生じさせた場合、会社に対して損害賠償責任を負います。払込みの仮装もこの任務懈怠に該当しうる行為です。
取締役は、会社に対してだけでなく、悪意または重過失によって第三者に損害を与えた場合にも賠償責任を負うことがあります。
責任追及の方法
取締役の責任追及は、以下の方法で行われます。
会社による責任追及
本来、取締役の責任追及は会社が行うのが原則です。
会社が取締役の責任を追及する場合、誰が会社を代表して訴訟を行うかは以下のように定められています:
監査役設置会社の場合:監査役が会社を代表します。
監査役設置会社ではない場合:
代表取締役が会社を代表します。
株主総会で訴訟遂行者を定めることも可能です。
取締役会設置会社の場合、取締役会で定めることも可能です。
会社が責任追及の訴えを提起した場合、遅滞なくその旨を公告するか、株主に通知する必要があります(公開会社でない場合は株主への通知で足ります)。
株主代表訴訟
会社内部での責任追及が適切に行われない可能性があるため、株主が会社に代わって取締役の責任を追及する訴訟を提起することができます。これを「株主代表訴訟」といいます。
株主代表訴訟は、会社に損害を与えた取締役に対し、会社への賠償を求める訴訟です。
公開会社の場合、訴訟時点で株主であることに加え、6ヶ月前から継続して株主である必要があります。
株主代表訴訟によって損害賠償が認められた場合、賠償金を受け取るのは株主ではなく会社です。