多重代表訴訟とは、親会社の株主が子会社の役員の責任を追及するために提起する訴訟です。これは、親会社が100%出資している子会社が対象となります。この制度は、2015年5月1日に施行された改正会社法によって新たに導入されました。
多重代表訴訟の主な目的は、子会社の役員が任務を怠り会社に損害を与えた場合に、親会社が株主としてその責任を追及することを怠る可能性があったため、親会社の株主が直接、子会社の役員の責任を追及できるようにすることにあります。

多重代表訴訟の要件

多重代表訴訟を提起するには、いくつかの厳格な要件を満たす必要があります。
株主側の要件
最終完全親会社(親会社・子会社・孫会社のように多層の親子関係がある場合、最上位の親会社)の株主であること
発行済株式の100分の1以上の議決権または株式を保有していること。
公開会社の場合、この株式を6ヶ月前から継続して保有していること。

多重代表訴訟の効果

多重代表訴訟が認められることによる効果は以下の通りです。
損害回復機能:子会社の役員が任務懈怠により会社に損害を与えた場合、その損害を回復させることができます。
任務懈怠の抑止子会社の取締役は、親会社の株主から直接責任を追及される可能性が生じるため、これまで以上に慎重な業務執行が求められるようになります。これにより、企業グループ全体のガバナンスが強化されることが期待されます。
株主権の保護:持ち株会社が増えたことにより、親会社の株主にとって子会社の経営の適正化が重要になりました。しかし、従来の制度では親会社の株主が子会社の役員の責任を直接追及することが難しかったため、この制度により親会社の株主の利益が保護されます。
この制度は、大規模なグループ会社だけでなく、中小規模のグループ会社の取締役にとっても考慮すべき事項となっています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA