違法逮捕に基づく勾留の効果については、刑事訴訟法上の手続的正義と捜査の実効性のバランスが問われる重要な論点です。

基本的な考え方

勾留は逮捕に続く身柄拘束処分であり、逮捕が適法であることが前提とされています(逮捕前置主義)
したがって、逮捕に重大な違法がある場合には、その後の勾留も違法と評価される可能性が高いです。

実務・判例の傾向

実務では、逮捕に重大な違法が認められる場合、勾留請求は却下されることがあります。
例:監視付きホテル宿泊による実質的逮捕 → 勾留請求却下(富山地裁決定
逮捕に軽微な瑕疵しかない場合は、勾留が認められることもあります
逮捕に対する直接の不服申立て(準抗告)が認められていないため、勾留段階で逮捕の適法性を審査することが前提とされています。

学説の整理

見解内容
厳格説逮捕に違法があれば、勾留は一律に認められない
実質説勾留請求に至る手続に重大な違法がある場合に限り、勾留を否定すべき
抑止重視説違法逮捕に対して勾留を否定することで、将来の違法捜査を抑止する効果を期待

起訴後勾留との関係

起訴後の勾留は、裁判官の職権によるものであり、逮捕の違法とは直接関係しないとする見解もあります。
ただし、違法逮捕の抑止という観点から、起訴後勾留も認めるべきでないとする主張も存在します。
この論点は、刑事訴訟法の理解を深めるうえで非常に重要です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA