登記のない地役権の対抗要件
原則として、地役権は登記がなければ第三者に対抗できません。しかし、例外的に、登記がなくても地役権を主張できる場合があります。
①承役地が譲渡された時点で、その承役地が②要役地の所有者によって継続的に通路として使用されていることが、その位置、形状、構造などの物理的状況から客観的に明らかであり、かつ、③譲受人がその状況を認識していたか、または認識することが可能であったときは、譲受人は地役権設定登記の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者には当たらないと解されます。
譲受人の認識または認識可能性
譲受人が承役地の状況を認識していたか、または認識可能であったかが重要です。
認識していた場合:譲受人が実際に地役権の存在を知っていた場合。
問題文で「譲受人がそれを認識していた場合に限る」とある場合、これは誤りです。「認識していたか、認識可能であった場合」が正しい要件となります。
譲受人が登記の欠缺を主張できない場合
譲受人が上記の状況を認識していた、または認識可能であった場合、譲受人は地役権設定登記の欠缺を主張することが信義に反するとみなされます。
この場合、譲受人は、地役権設定登記を請求されることがあるほか、承役地の通路部分を利用できない可能性が高いです.
特段の事情
ただし、例外的に、譲受人が地役権設定登記の欠缺を主張できる場合もあります.
譲受人が、通路としての使用が無権原で行われていると認識しており、かつ、その認識に至る原因の一部が地役権者の言動によるものである場合。
最高裁判所の判断理由
最高裁判所は、以下の理由から、上記のように判断しました.
登記の欠缺を主張する正当な利益を有しない者は、民法177条にいう「第三者」に当たらない。
譲受人が承役地の使用状況から地役権の存在を推認でき、要役地の所有者に照会するなどして通行権の有無や内容を容易に調査できる。
譲受人は、何らかの通行権の負担があるものとして承役地を譲り受けたものと解される.
この判例は、不動産取引における信義則の適用範囲を明確にし、地役権者の権利を保護するものです。不動産取引においては、登記だけでなく、現地の利用状況を注意深く確認することが重要です。