時効完成後の債務の承認とは
①債務が消滅時効によって消滅した後
②債務者が時効が完成したことを知らずに
③債務の存在を認めること
をいいます。例えば、BがAから借金をしている場合、時効期間が経過して債務が消滅したにもかかわらず、AがBに返済を要求することがあります。この時、Bが時効の完成を知らずに「もう少し待ってほしい」とか「減額してほしい」と伝えたり、一部を返済したりすると、債務の承認とみなされます。
時効完成後の債務の承認の問題点
- 消滅時効が成立しなくなる
- 債務の承認は、借金の消滅時効期間をリセットするため、時効期間がゼロに戻り、新たに進行します。
- 時効の援用ができなくなる
- 消滅時効期間が経過した後で債務の承認をした場合、その承認を取り消すことはできず、消滅時効を主張することもできなくなります。
- 信義則上、消滅時効を主張できなくなる
債務の承認にあたる行為の具体例
- 債務の一部を弁済すること
- 債務を認める文書に署名や捺印をすること
- 債務の返済猶予を求める言動
時効の援用とは
債務者が債権者に対して、消滅時効が成立したことを伝え、返済をしないという意思表示をすることです。通常は、証拠を残すために「時効援用通知書」を作成し、内容証明郵便で債権者に郵送します。
時効完成後に支払ってしまった場合
判例では、債務者が消滅時効完成後に債権者に対し、当該債務の承認をした場合には、時効完成の事実を知らなかったときでも、その後の時効の援用は許されないと解するのが信義則に照らしても相当であるとされています。
注意点
- 債務の承認は口頭でも成立します。