最判昭和44年3月28日は、根抵当権設定当時に存在した従物に対し、民法370条1により、根抵当権の効力が及ぶとしています。つまり、抵当権設定時に存在している従物は、民法370条の付加物に含まれると解釈されています。

抵当権の効力が及ぶ範囲

抵当権は、基本的に、目的物(主物)と一体になっている従物に対しても効力が及びます主物に付いている従物のことを付加一体物と呼びます。

付加一体物の例

土地の付加一体物:樹木、庭木、塀、移動が困難な庭石、土砂。担保対象の土地が借地である場合には、借地権にも抵当権の効力が及びます
建物の付加一体物:建具、畳、床、鴨居などの部材、水道設備、空調設備など建物内部を構成する部材や設備

抵当権の効力が及ばない範囲

抵当権設定者は、抵当権がかけられている担保不動産であっても、その担保を自由に活用することができます。不動産活用によって得られたモノや金銭は抵当権者自身の収益となり、抵当権の効力の範囲外となります。

従物に関する判例

抵当土地上に備え付けられた水車附属品等は水車小屋の従物であるとして、建物(水車小屋)抵当権の効力が及ぶとした判例があります。
抵当土地内に存する井戸は抵当土地の構成部分であるとした判例もあります。

付加一体物の意義が不明確

具体的に、どの範囲で効力が及ぶのかについて争いあり ⇒ 不動産に付合した物(民法242条2本文)が「付加して一体となっている物」に当たることに争いなし ⇒ 取り外しが困難な植木と庭石の一部は不動産への付合物であるため、根抵当権の効力がぶ ⇒ 取り外し可能な石灯籠と庭石の一部は付合物ではなく、独立性のある従物(民法87条31項)⇒ 従物が「付加して一体となっている物」に当たるかが問題となる

争点

従物は370条の「付加して一体となっている物」に当たるか ⇒ 「本件石灯籠および取り外しのできる庭石等は本件根抵当権の目的たる宅地の従物であり、本件植木および取り外しの困難な庭石等は右宅地の構成部分であるが、右従物は本件根抵当権設定当時右宅地の常用のためこれに付属せしめられていたものである…本件宅地の根抵当権の効力は、右構成部分に及ぶことはもちろん、右従物にも及ぶ」

従物に抵当権の効力が及ぶには、どのような対抗要件が必要か ⇒ 「この場合右根抵当権は本件宅地に対する根抵当権設定登記をもって、その構成部分たる右物件についてはもちろん、抵当権の効力から除外する等特段の事情のないかぎり、民法370条により従物たる右物件についても対抗力を有するものと解するのが相当である。」

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