判例(最判S35.2.11)では、占有改定による即時取得は認められていませ
理由として、以下の点が挙げられます:
占有改定は、外見上の占有状態に変化を与えない
真の権利者の権利を不当に剥奪することになり、取引の安全を害する

即時取得とは

即時取得とは、動産取引の安全を守るために、民法に定められた制度です。動産を占有している者を真の権利者と信じて取引した場合、その占有者が無権利者であったとしても、一定の要件を満たせば、取引をした者は権利を取得することができます。

即時取得の要件

即時取得が成立するためには、以下の要件を満たす必要があります:
動産であること:即時取得の対象は動産のみです。不動産には適用されません。
有効な取引行為:売買、贈与、代物弁済などの取引行為によって占有を取得する必要があります。相続や他人の物を自己の物と誤信して取得した場合は対象外です。
平穏かつ公然な占有:占有は、公然かつ平穏に行われる必要があります。たとえば、目的物を貰ったことを隠ぺいしている場合や、暴行や脅迫で取得した場合は対象外です。
善意無過失:前主が無権利者であることについて、善意(知らないこと)かつ無過失(過失がないこと)である必要があります。善意・平穏・公然は推定されます
前主が無権利者であること:前主が目的物に対する処分権限を有していないことが必要です。例えば、前主が賃借人や受寄者である場合です。
占有を取得すること:占有改定以外の方法で占有を取得する必要があります。現実の引渡し、簡易の引渡し、指図による占有移転などが含まれます。

    占有改定とは

    占有改定とは、物の引渡し方法の一つで、物を現実に交付することなく、法律上の占有だけを移転させることをいいます。例えば、AがBに時計を売却したが、引き続きAがBから時計を賃借して占有する場合、Aが、今後はBのために占有する旨の合意をすることで占有を移転することをいいます。

    占有改定と即時取得の関係に関する学説

    占有改定と即時取得の関係については、学説に対立があります
    否定説:判例は、占有改定による占有取得では、即時取得は認められないとしています。その理由として、占有改定は従来の占有状態に変化を与えないため、真の権利者の権利を保護する必要があるとしています。
    肯定説:占有改定を他の占有方法と区別する必要はなく、即時取得は取引の安全を保護する制度であるとの立場から、占有改定による即時取得を肯定する説もあります。
    折衷説:占有改定では一応即時取得が成立するものの、その効果が確定するのは、後に現実の引渡しを受けた時点とする説もあります。この場合、善意無過失は占有改定の時点で判断されます。

    参考情報

    特別の方法で公示がなされた動産(例えば、登録された自動車)については、占有に公信力があるとは言えないため、即時取得は否定されます。
    民法178条は、動産物権変動の対抗要件を「引渡し」と定めており、この引渡しには、現実の引渡し、簡易の引渡し、指図による占有移転、占有改定が含まれます。
    即時取得の要件の一つである「占有を始めた」という点について、占有改定がこれに当たるかが争われています

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