共犯者の自白と補強証拠の関係

日本の刑事訴訟法第319条第2項では、「被告人の自白だけで有罪とすることはできない」と定められており、補強証拠が必要です。では、共犯者の自白はどう扱われるのでしょうか?

主な論点

  • 共犯者の自白だけで被告人を有罪にできるか
    • 判例では、共犯者の自白のみで有罪とすることは可能とされていますが、虚偽の危険性があるため慎重な判断が求められます。
  • 被告人本人と共犯者が共に自白している場合
    • 共犯者の自白は、被告人の自白の補強証拠となり得るかが問題になります。補強証拠として認めるか否かは学説上分かれています。
  • 被告人が否認している場合
    • 共犯者2名以上の自白があっても、補強証拠がなければ有罪認定は困難とする説もあります。

裁判例の考え方

  • 最判昭和33年5月28日:共犯者の自白だけでも被告人を有罪にできるとした判例。
  • 最判昭和51年10月28日:共犯者の供述が補強証拠となり得るとした判例。

実務上の注意点

  • 共犯者の自白には「責任転嫁」や「引っ張り込み」の危険があるため、証拠価値は慎重に評価されるべきです。

共犯者の自白の法的性質

1. 補強証拠となるか?

刑事訴訟法第319条第2項は「被告人の自白のみで有罪にできない」と定めていますが、共犯者の自白は「被告人の自白」ではないため、形式的には補強証拠となり得ます。

  • 肯定説:共犯者の自白は独立した証拠であり、補強証拠となる。
  • 否定説:共犯者の自白も虚偽の危険が高く、補強証拠としての価値は乏しい。

2. 自白の信用性

共犯者の自白は、自己の刑事責任を軽減するために他人を巻き込む可能性があるため、慎重な証拠評価が必要です。

判例の傾向

主な判例

判例内容備考
最判昭和33年5月28日共犯者の自白のみで有罪認定可能補強証拠不要と解釈されることも
最判昭和51年10月28日共犯者の自白は補強証拠となり得る自白の信用性が高ければ補強証拠に

判例の読み方

  • 判例は「共犯者の自白=補強証拠」とは明言していないが、実務上は補強証拠として扱われる傾向がある。
  • ただし、共犯者の供述が変遷している場合や、他の証拠と矛盾する場合は信用性が否定される。

実務上の戦略

弁護側の視点

  • 共犯者の自白の信用性を徹底的に争う。
  • 共犯者の供述の変遷、動機、取調べ状況などを検討。
  • 補強証拠が他に存在しないことを強調。

検察側の視点

  • 共犯者の自白を補強する客観的証拠(物証、目撃証言など)を提示。
  • 共犯者の供述が一貫していることを強調。

学説の対立

学説内容
補強証拠肯定説共犯者の自白は独立した証拠であり、補強証拠となる
補強証拠否定説共犯者の自白も虚偽の危険が高く、補強証拠として認めるべきでない
相対的肯定説供述の内容・状況に応じて補強証拠となるか判断すべき

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