共同訴訟参加とは、すでに行われている他人間の訴訟に、第三者が原告または被告と同じ「共同訴訟人」という立場で加わる制度です。これにより、関連する紛争を一つの手続きでまとめて解決し、統一的な判断を得ることを目的とします。
共同訴訟参加の一般的要件
共同訴訟参加は、民事訴訟法第52条第1項に定められており、その要件は以下の通りです。
民事訴訟法 第52条(共同訴訟参加)
訴訟の目的が当事者の一方及び第三者について合一にのみ確定すべき場合には、その第三者は、共同訴訟人としてその訴訟に参加することができる。
この条文から、共同訴訟参加が認められるためには、主に2つの要件を満たす必要があります。
- 他人間の訴訟が裁判所に係属していること
大前提として、すでにある訴訟(原告と被告の間の訴訟)が存在している必要があります。 - 訴訟の目的が当事者の一方及び第三者について「合一にのみ確定すべき場合」であること
これが最も重要な要件です。「合一確定」とは、判決の結論が、訴訟に参加しようとする第三者と、その第三者が加わろうとする側の当事者(原告または被告)との間で、矛盾なく統一される必要がある場合を指します。
具体的には、判決の効力(特に既判力)が第三者にも及ぶ場合がこれにあたると解釈されています。このような関係は「必要的共同訴訟」、特に「類似必要的共同訴訟」と呼ばれる関係で生じます。
「合一確定」が求められる具体的なケース
どのような場合に「合一確定」の要件を満たすのでしょうか。代表的な例としては以下のようなケースが挙げられます。
- 債権者代位訴訟における他の債権者の参加
ある債権者(A)が、債務者(B)の持つ第三債務者(C)への権利を代わりに行使する訴訟(債権者代位訴訟)を起こしている場合に、同じ債務者(B)に対して債権を持つ別の債権者(D)が、原告A側で共同訴訟参加するケース。この訴訟の判決は、他の債権者にも影響を及ぼすため、合一確定の必要があります。 - 株主代表訴訟における他の株主の参加
ある株主が、会社の取締役の責任を追及するために株主代表訴訟を提起した場合に、他の株主が原告側で共同訴訟参加するケース。
これらのケースでは、もし別々の訴訟が許されると、一方では勝訴、他方では敗訴といった矛盾した判決が出る可能性があり、法的な安定性が損なわれます。そのため、共同訴訟参加によって、利害関係を持つ者が当事者として手続きに参加し、紛争を一度に解決することが求められるのです。
手続きの流れ
共同訴訟参加をするには、参加の趣旨と理由を記載した「参加申立書」を、訴訟が係属している裁判所に提出する必要があります。裁判所は、相手方当事者の意見を聞いた上で、参加を許可するかどうかを決定します。
類似制度との違い
訴訟に第三者が関与する制度には、共同訴訟参加の他に「補助参加1」と「独立当事者参加2
| 制度の種類 | 参加の目的・立場 | 参加後の地位 |
| 共同訴訟参加 | 当事者の一方と同じ立場(共同訴訟人)で訴訟を追行する。 判決の矛盾を防ぐ必要がある(合一確定)。 | 当事者本人 |
| 補助参加 | 当事者の一方を勝たせることで、間接的に自己の利益を守る。 | あくまで補助者であり、当事者ではない。 |
| 独立当事者参加 | 原告・被告の双方と対立し、自己の権利を主張する。 | 独立した当事者(三者間の訴訟となる)。 |
まとめ
共同訴訟参加は、誰でも自由にできるわけではなく、「判決の結論を分けられない」という厳格な要件(合一確定の要請)を満たす場合にのみ認められる特別な参加形態です。関連する紛争を一度に、かつ矛盾なく解決するための重要な制度と言えます。